mixhost レンタルサーバー3社との速度
レンタルサーバーを選ぶ際に、サーバーのスペック及び速度が最も気にする部分であり各社とも速度に関して、
指標や第三者機関による評価を掲示していてそれを元に比較をしても速度を評価する要素のどの部分がどうなっているか不透明な情報となっています。
この記事では、実際に各レンタルサーバー(mixhost、CONOHA Wing、XServer)になるべく近いプランにおける
サーバーの速度(応答速度、表示速度など)について計測し比較を行います。
計測及び比較について
ここでは、3社のレンタルサーバーについて計測及び比較について以下のように行いました。
- 計測手段
- 計測条件
- 計測結果
安定性は「稼働率」と「平均応答速度」を、表示速度は「平均表示速度」などがあり
- 稼働率(単位:%):システムやサービスが利用できる時間の割合
- 平均応答速度(単位:ms / ミリ秒):リクエストに対し返答を返した応答速度
- 平均表示速度 (単位:s / 秒):サイトを表示したときにページ全体を読み込むのにかかった時間
計測手段
計測手段としてApache JMeter(アパッチ ジェイメーター)を使用し各レンタルサーバーごとの負荷テストを行います。
公式サイトへはこちら 外部リンク先を新しいタブで開きます。
条件
今回測定に使用する各レンタルサーバーについて使用した利用プランと計測するWordPressのWebサイトについて詳細は以下のように用意し、
なるべく近い条件にて行いました。
計測対象のWebサイトについて
今回計測するにあたり、各レンタルサーバーに同じWebサイトを用意しWordPressに関する設定を同じにし、
LightSpeed対応サーバーについては「LightSpeedCache」を導入行い、計測を実施を行いました。
項目 | mixhost | CONOHA Wing | XServer |
WordPress Ver. | 5.8.4 | 5.8.4 | 5.8.4 |
PHP Ver. | PHP 7.4 (ea-php74) | PHP 7.4 (ea-php74) | PHP 7.4 (ea-php74) |
WordPress テーマ | DIVER | DIVER | DIVER |
WordPress プラグイン(LightSpeedCache)
※LightSpeed対応サーバーのみ |
有 | 無 | 無 |
サンプル数 | 約10000 | 約10000 | 約10000 |
各社ごとに使用したプランについて
今回計測するにあたって各レンタルサーバーから月額料金が約1.000円のプランを使用して行いました。
各レンタルサーバーのプランごとのサーバー基本性能抜粋は以下のようになります。
レンタル
サーバー名 |
プラン名 | サーバー基本性能※ | 価格※
(12ヶ月) |
mixhost | スタンダード | ・転送量: 無制限
・割り当てCPU:6vCPUs ・メモリ:8GB ・ディスク容量:SSD 300GB |
1,078 円 /月〜 |
Conoha | ベーシック | ・転送量:無制限
・割り当てCPU数:6コア ・メモリ:8GB ・ディスク容量:SSD 300GB |
911 円/月
|
XSERVER | スタンダード | ・転送量: 無制限
・割り当てCPU:6コア ・メモリ:8GB ・ディスク容量:SSD 300GB |
1,100円 |
比較内容
計測値について
Apache JMeter(アパッチ ジェイメーター)の負荷テストを行い、以下の計測値を使用し比較を行います。
項目 | 意味 | 備考 |
---|---|---|
Sample | 試験の実行回数 | 試験の実行回数で何回リクエストが送信されたかを表す数字です。
リクエスト数は、スレッドグループのところで設定したクライアント数を想定した 「スレッド数」×「ループ回数」の値になります。 |
Average | 実行結果の平均値 | 各リクエストの応答までの時間の平均になります。 |
Median | 実行結果における中央値 | 計測結果の50%がこの時間以上かかっていないことを示す値です。
データを小さい方から大きい方まで並べた中のちょうど真ん中に位置するデータの値です。 |
90% Line | 実行結果の 90% の集合 | 計測結果の90%のサンプルはこの時間以上かかっていないことを示す. 10% はこれと同じくらいの時間がかかった90パーセントタイルといわれる数字です。 データを小さい方から大きい方まで並べた中の90%がこれ以下の値になる境界の値です。 外れ値を手っ取り早く除外する場合に使える境界値になります。 |
95% Line | 実行結果の 95% の集合 | 計測結果の95%のサンプルはこの時間以上かかっていないことを示す. 5% はこれと同じくらいの時間がかかった95パーセントタイルといわれる数字です。 データを小さい方から大きい方まで並べた中の95%がこれ以下の値になる境界の値です。 |
99% Line | 実行結果の 99% の集合 | 計測結果の99%のサンプルはこの時間以上かかっていないことを示す. 1% はこれと同じくらいの時間がかかった、99パーセントタイルといわれる数字です。 データを小さい方から大きい方まで並べた中の99%がこれ以下の値になる境界の値です。 |
Min | 実行完了までの最短時間 | 一番短かったリクエストの時間になります。 |
Maximum | 実行完了までの最長時間 | 長かったリクエストの時間になります。 |
Error % | エラー発生率 | エラーになったリクエストの割合になります。 |
Throughput | スループット | 時間単位(秒、分、時間)で処理したリクエストの数で最初のサンプルの開始から
最後のサンプルの終了までの時間で計算されるスループットが大きいほど良い結果となります。 |
Received KB/Sec | 受信量 | 実行中にサーバーからダウンロードされたデータ量(キロバイト/秒)で
測定した平均転送量になります。 秒間どれくらいのデータが転送できたかを表す数字になります。 |
Sent KB/Sec | 送信量 | 実行中にサーバーに送ったデータ量(キロバイト/秒)で測定した平均転送量になります。
秒間どれくらいのデータが転送できたかを表す数字になります。 |
計測結果
・性能テスト:3600秒あたり100アクセス
項目 | mixhost | CONOHA Wing | XServer |
試験の実行回数 | 10532 | 10165 | 11025 |
実行結果の平均値 | 1281 | 189 | 689 |
実行完了までの最短時間 | 59 | 3 | 3 |
実行完了までの最長時間 | 11981 | 2187 | 1792 |
エラー発生率【%】 | 2.02% | 25.82% | 0.19% |
スループット | 82.85215 | 28.54575 | 15.19591 |
受信量【KB/Sec】 | 10467.54 | 2668.13 | 1954.99 |
送信量【KB/Sec】 | 14.35 | 4.73 | 2.68 |
・性能テスト:600秒あたり1000アクセス
項目 | mixhost | CONOHA Wing | XServer |
試験の実行回数 | 10325 | 10710 | 10532 |
実行結果の平均値 | 1183 | 99 | 1281 |
実行完了までの最短時間 | 0 | 12 | 59 |
実行完了までの最長時間 | 21721 | 1636 | 11981 |
エラー発生率【%】 | 2.00% | 94.41% | 2.02% |
スループット | 85.3341 | 301.91977 | 82.85215 |
受信量【KB/Sec】 | 10751.83 | 2315.63 | 10467.54 |
送信量【KB/Sec】 | 14.37 | 49.84 | 14.35 |
・性能テスト:60秒あたり10アクセス
項目 | mixhost | CONOHA Wing | XServer |
試験の実行回数 | 10254 | 10121 | 10061 |
実行結果の平均値 | 92 | 194 | 386 |
実行完了までの最短時間 | 13 | 2 | 75 |
実行完了までの最長時間 | 11979 | 3479 | 664 |
エラー発生率【%】 | 0.10% | 24.76% | 0.10% |
スループット | 81.88461 | 44.57883 | 24.03631 |
受信量【KB/Sec】 | 10513.02 | 4226.18 | 3095.38 |
送信量【KB/Sec】 | 14.06 | 7.39 | 4.24 |
まとめ
上記計測を元にまとめると以下のようになり、mixhostが全体として秒間何件のリクエストが処理できたかを表す「スループット」及び
秒間どれくらいのデータが転送できたかを表す「平均転送量[KB/Sec]」の結果がよくサーバーの速度(応答速度、表示速度など)が
優れている結果を計測結果として確認することができました。
mixhost
今回比較を行った他の2社と比べLightSpeed対応サーバーであり、WordPress プラグイン(LightSpeedCache)の導入し計測を
行ったこともあり、高負荷や多重アクセスを行った際にはきちんと結果に出ておりブレも少なく安定している。
CONOHA Wing
CONOHA Wingについては、他の計測結果においてもエラー発生率【%】が高くなりやすく、
時間あたりのアクセスをつづけていくと次第にエラー発生率【%】が急上昇していく傾向があり高負荷や多重アクセスなどに対して弱い可能性ある。
XServer
低~中負荷においてはmixhostとも大きな差は出ていないが、全体を通して比較すると「スループット」及び「平均転送量[KB/Sec]」の計測結果において、
幅がでておりサーバーのスペックは近いが「HTTP/3」やLightSpeedの非対応の部分で差が出ている結果となった。